監修者:

(プライベートクリニック高田馬場 院長)

ED治療薬の基本情報

ED治療薬について具体的なお話に入る前に、まずはED(勃起不全)という状態そのものについて、基本的な知識を深めておくことが大切です。

EDの原因や治療法を理解することで、ED治療薬がどのように役立つのか、より明確にイメージできるようになるでしょう。

EDは決して他人事ではない

EDの原因と治療法

ED(勃起不全)は、医学的には「満足な性行為を行うのに十分な勃起が得られない、または維持できない状態が持続または再発すること」と定義されています。

単に一度や二度うまくいかなかったという経験ではなく、それが続く場合にEDと診断されることがあります。

日本では、40代以上の男性の約4割が何らかのED症状を経験するという調査結果もあり、決して他人事ではありません。
また、加齢に伴いリスクが高まる傾向はありますが、EDは決して高齢者だけの問題ではありません

当院、プライベートクリニック高田馬場にも、20代や30代といった若い世代の方からのご相談が数多く寄せられており、年齢に関わらず誰にでも起こりうる悩みであると日々実感しています。

EDは複数の要因が絡み合って生じる

EDの原因は一つではなく、様々な要因が絡み合っていることが多いです。
主な原因としては、身体的なものと心理的なものがあります。 

加齢による血管や神経の機能低下のほか、糖尿病や高血圧、脂質異常症といった生活習慣病による血流障害、ホルモン低下、喫煙や過度の飲酒、運動不足などの生活習慣、ストレスや不安、うつ病など心理的要因、さらには特定の薬の副作用(一部の降圧剤や抗うつ薬など)などが挙げられます。
若年層では過度のポルノ視聴による刺激への慣れ(ポルノ誘発性ED)も報告されています。

EDは医療で治療可能

幸いなことに、EDは治療可能な状態です。

治療法にはいくつかの選択肢があり、原因や症状の程度、患者さんの希望などに応じて選択されます。

代表的な治療法としては、今回詳しく解説するED治療薬(PDE5阻害薬)を用いた薬物療法があります。
これが一般に「ED治療薬」と呼ばれるもので、まず第一に試みられる治療法です。

その他にも、生活習慣の改善(禁煙、節酒、適度な運動、バランスの取れた食事など)、陰茎への血管拡張剤の自己注射(ICI療法)や真空ポンプ装置の使用、心理カウンセリングや心理療法、ホルモン補充療法、場合によっては手術療法(血管手術・陰茎プロテーゼ挿入)などが検討されることもあります。

しかし、多くのケースではまず内服薬で十分な効果が得られるため、ED治療薬が広く普及しています。

近年では、ストレスや不安に加えて「ポルノ誘発性ED」のような心理的要因が若年層に増えているとも報告されていますので、生活習慣や視聴習慣の見直しが必要なケースもあります。

EDについてさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事もご参照ください。

ED治療薬とは?効果とメカニズム

ED治療薬とは?効果とメカニズム

ED治療薬は、勃起を物理的に助けることで、EDの症状を改善するお薬です。

ED治療でまず検討すべきは「PDE5阻害薬」

現在、ED治療の第一選択肢として広く用いられているのは、「PDE5阻害薬」と呼ばれる種類のお薬です。
バイアグラ、レビトラ、シアリス、アバナといった薬がこれに該当します。
これらは勃起に関わる酵素PDE5の働きを阻害し、陰茎海綿体の血管拡張を促すことで勃起を補助します。

ED治療薬が効果を発揮する仕組み

では、ED治療薬はどのようにして効果を発揮するのでしょうか?
そのメカニズムを理解するために、まずは正常な勃起が起こる仕組みを簡単に見てみましょう。

 性的興奮や刺激を感じると、脳からの信号が陰茎に伝わります
すると、陰茎の動脈が広がり、スポンジ状の組織である海綿体に大量の血液が流れ込みます
この血液が海綿体内に留まることで、陰茎は硬く、大きくなります。これが勃起の状態です。 

一方、勃起がおさまるときには、「PDE5(ホスホジエステラーゼ5)」という酵素が働きます
PDE5は、血管を拡張させる物質(cGMP: 環状グアノシン一リン酸)を分解し、血流を減少させることで勃起を鎮める役割を持っています。

EDの症状がある場合、このPDE5の働きが過剰になったり、血流を増やす働きが弱まったりしている可能性があります。

ED治療薬(PDE5阻害薬)は、このPDE5の働きを一時的に抑える(阻害する)作用を持っています。

これにより、血管拡張物質であるcGMPが分解されにくくなり、陰茎への血流が増加しやすくなります。

その結果、性的刺激があった際に、十分な勃起が得られやすくなり、また勃起状態を維持しやすくなるのです。

要するに、性的刺激を受けた際に陰茎に流れ込む血液量を増やし、「硬さ」を十分に得られるようにする薬です。

ED治療薬はあくまで「勃起をサポートする薬」

ここで重要なのは、ED治療薬はあくまで「勃起をサポートする薬」であるという点です。
性的な興奮や刺激がなければ、薬を飲んだだけで勝手に勃起することはありません。

また、性欲を高める効果もありません。
あくまで、自然な勃起プロセスを助けるお薬であるとご理解ください。

ED治療薬のメカニズムをまとめると、以下のようになります。

  • 性的刺激を受けることで、勃起のスイッチが入ります。
  • ED治療薬がPDE5の働きを抑え、陰茎への血流を増やしやすくします。
  • 十分な血流が確保され、勃起が起こり、維持されやすくなります。

性的刺激を受けることで、勃起のスイッチが入ります。

ED治療薬がPDE5の働きを抑え、陰茎への血流を増やしやすくします。

十分な血流が確保され、勃起が起こり、維持されやすくなります。

なお、ED治療薬は血管拡張作用を有するため、狭心症治療に使われる硝酸薬(ニトログリセリンなど)や亜硝酸アミルなどとの併用は厳禁です。
重篤な低血圧を引き起こす恐れがあるため、持病や常用薬については必ず医師にご相談ください。

ED治療薬の種類

ED治療薬の種類

現在、日本国内で処方されている主なED治療薬(PDE5阻害薬)には、以下の4種類があります。
それぞれ有効成分と特徴が異なります。

バイアグラ(有効成分:シルデナフィル)

バイアグラは世界で最初に登場したED治療薬で、最も知名度が高い薬の一つです。

比較的即効性があり、しっかりとした硬さが得られやすいとされていますが、食事、特に脂肪分の多い食事の影響を受けやすいという特徴があります。

現在は複数の国内メーカーからジェネリック医薬品も発売されています。

レビトラ(有効成分:バルデナフィル)

レビトラはバイアグラに次いで登場した薬で、バイアグラよりも即効性が高く、効果発現までの時間が短いとされています。

食事の影響もバイアグラよりは受けにくいですが、高脂肪食では効果が弱まる可能性があります。
勃起時の硬さが出やすいという声も聞かれます。

(※現在、純正レビトラは販売中止となっており、ジェネリック医薬品のみ処方可能です。)

シアリス(有効成分:タダラフィル)

シアリスは他の薬剤と比較して、圧倒的に長い作用時間(最大36時間)を持つのが最大の特徴です。

「ウィークエンドピル」とも呼ばれ、服用タイミングの自由度が高いです。

食事の影響をほとんど受けず、効果がマイルドで自然な勃起に近い感覚が得られやすいとされています。

アバナ(有効成分:アバナフィル)

アバナは最も新しく登場したED治療薬で、「ステンドラ」という名称でも知られています。

効果発現までの時間が最短(約15分)とされ、非常に即効性が高いのが特徴です。

また、食事やアルコールの影響を受けにくく、他のPDE5阻害薬に比べて副作用が少ない傾向にあると報告されています。

これらのED治療薬は、それぞれにメリット・デメリットがあり、どの薬が最適かは、個人の体質やライフスタイル、求める効果によって異なります。

また、いずれも医師の処方箋が必要な医薬品であり、自己判断で海外から個人輸入したりインターネット通販で入手したりすることは推奨できません

各ED治療薬について、さらに詳しい情報はこちらをご覧ください。

※2025年9月現在、薬剤師の指導を条件にシアリスのOTC化の承認申請が検討されています。

また、ED治療薬には偽造品も多く出回っています。

医師の診察を経ずにインターネット通販や個人輸入で購入した薬の中には、成分が不十分・不純物が混入しているものが存在し、重篤な健康被害が報告されるケースもあるため非常に危険です。

必ず正規のクリニックや医療機関で処方を受け、正規ルートで入手してください。

※2025年9月現在、薬剤師の指導を条件にシアリスのOTC化の承認申請が検討されています。

ED治療薬の比較と選び方

実際にED治療薬を使ってみようと考えたとき、次に気になるのは「自分にはどの薬が合っているのか?」ということでしょう。

ED治療薬にはいくつかの種類があり、それぞれに効果の現れ方や持続時間、副作用の傾向などが異なります。

ご自身のライフスタイルや、どのような効果を期待するのか、また、副作用への懸念などを考慮して、最適な薬を選ぶことが、ED治療を成功させるための重要な第一歩となります。

ED治療薬の効果・持続時間・即効性を比較

ED治療薬を選ぶ上で、おそらく最も気になるのが、「どのくらいの時間で効果が現れ(即効性)」「どのくらいの時間効果が続くのか(持続時間)」、そして「どの程度の硬さが期待できるのか」といった点ではないでしょうか。
ここでは、代表的な4種類のED治療薬について、これらのポイントを比較してみましょう。

以下の表は、各薬剤の一般的な特徴をまとめたものです。

ただし、これらはあくまで目安であり、効果の現れ方や感じ方には個人差があること、服用タイミングや体調によっても変動することをご理解ください。

薬剤名
(有効成分)
即効性
(効果発現までの目安)
持続時間
(効果が期待できる目安)
勃起の硬さ
(一般的な傾向)
食事の影響主な特徴
バイアグラ
(シルデナフィル)
約30分~1時間約4~5時間強い受けやすい歴史と実績があり安心感。種類が豊富。価格も比較的抑えめ。
レビトラ
(バルデナフィル)
約15~30分約4~5時間最も強いとされるやや受けにくい即効性が高く、硬さも期待できる。早漏傾向の方にも向く可能性あり。
シアリス
(タダラフィル)
約30分~1時間約24~36時間マイルド/やや弱め受けにくい圧倒的な持続時間で服用タイミングの自由度が高い。自然な効果。
アバナ
(アバナフィル)
約15分約4~5時間非悪的強目
(副作用少)
受けにくい最速クラスの即効性。食事やアルコールの影響を受けにくく、副作用も少なめ。(国内未承認)

例えば「すぐに効果が欲しい」という場合にはレビトラやアバナが候補になり、「週末に長時間効果を持続させたい」ならシアリスが適している、といった大まかな方向性が見えてきます。

また、「しっかりとした硬さが欲しい」という声に対しては、バイアグラやレビトラがよく名前が挙がりますが、アバナも十分な硬さが期待でき、シアリスはより自然な硬さと表現されることがあります。

泌尿器科学会が策定するED診療ガイドラインにも、お薬の選択はご自身との相性で見極めることが重要とされており、ご自身の希望や状況に合わせて、これらの特徴を参考に薬を選んでいくことが大切です。

即効性を求めるならどのED治療薬がベスト?

即効性を求めるならどのED治療薬がベスト?

大切なパートナーとの時間、その直前に服用してすぐに効果を得たい、あるいは、なるべく効果が現れるまでの待ち時間を短くしたい、とお考えの方もいらっしゃるでしょう。

そのような「即効性」を重視する場合、レビトラ(バルデナフィル)やアバナ(アバナフィル)が有力な選択肢となります。

レビトラ(バルデナフィル)の特徴

レビトラは、服用後約15~30分という比較的短い時間で効果が現れ始めるとされています。

空腹時に服用すれば、さらに早く効果を感じられることもあります。効果の持続時間は約4~5時間と、性行為を行うには十分な長さが期待できます。

食事の影響はバイアグラより受けにくいとされていますが、脂肪分の多い食事をとった後では、吸収が遅れて効果発現が遅れたり、効果が弱まったりする可能性があるので注意が必要です。

レビトラは、勃起時の硬さがしっかり出やすいという評価もあり、力強い効果を求める方にも選ばれることがあります。

また、服用により少し感度が落ち着く場合があるため、早漏傾向にお悩みの方にとっては、射精までの時間を延長する効果を副次的に期待できるかもしれません。

逆に、もともと感度が低い、あるいは遅漏傾向のある方には、少し使いにくさを感じる可能性も考えられます。

アバナ(アバナフィル)の特徴

アバナは、現在日本で処方されているED治療薬の中で、最も早く効果が現れるとされる薬剤の一つです。

服用後、最短で約15分という速さで効果の発現が期待できます。
これは、性行為の直前というタイミングでの服用も可能にする、大きなメリットといえるでしょう。

持続時間は約4~5時間とレビトラと同等で、こちらも十分な長さです。

アバナのもう一つの優れた点は、食事やアルコールの影響をほとんど受けないことです。
これにより、食事の内容や時間を気にせず服用しやすいという利便性があります。

さらに、後発の薬剤であるため、他のPDE5に対する選択性が高く、副作用が比較的少なく、安全性が高いと報告されている点も魅力です。

レビトラを凌ぐ速さで作用しますが、効果の出方が比較的マイルドなので、「即効性は欲しいが強すぎる効果は不要」という方にも向いています。

即効性を最優先するならばアバナが最も早く、次いでレビトラが候補となります。

どちらも優れた薬剤ですので、硬さの好みや食事の影響の受けにくさ、副作用への懸念などを考慮して選ぶと良いでしょう。

長時間の持続を求めるならシアリス

長時間の持続を求めるならシアリス

服用する時間をあまり気にせず、例えば週末など、長い時間にわたって自然な形で効果を得たい、という希望をお持ちの方には、シアリス(タダラフィル)が最も適した選択肢となるでしょう。

シアリスの最大の特徴は、その圧倒的な効果持続時間です。

服用後、約24時間から最大で36時間もの間、効果が持続するとされています。

この長さから「ウィークエンドピル」という愛称でも呼ばれており、金曜日の夜に服用すれば、日曜日の朝まで効果が期待できる計算になります。

これにより、性行為のたびに薬を飲むタイミングを気にする必要がなくなり、精神的なプレッシャーから解放され、よりリラックスしてパートナーとの時間を過ごせるようになるかもしれません。

また、シアリスは食事の影響をほとんど受けないという利点もあります。

食事の時間を気にせず服用できるため、日常生活の中で取り入れやすい薬剤と言えます。

効果の現れ方としては、バイアグラやレビトラのような急激な立ち上がりというよりは、比較的マイルドで、性的刺激があった時に自然に近い形で勃起をサポートしてくれる感覚、と表現されることが多いです。
そのため、「いかにも薬を飲んでいる」という感覚が苦手な方にも受け入れられやすいかもしれません。 

長時間型ゆえに穏やかに効く薬なので、副作用の面でも安心感があります。

ただし、効果が現れるまでには少し時間がかかり、服用後1~3時間程度を見込む必要があります。
そのため、即効性を求める場合には他の薬剤が適しているでしょう。

時間を気にせず、ゆったりとした効果を求める方にとって、シアリスは非常に魅力的な選択肢です。

種類の豊富さと安心感を求めるならバイアグラ

種類の豊富さと安心感を求めるならバイアグラ

ED治療薬を初めて試す方や、長年の実績に裏打ちされた安心感を重視したい方、あるいはご自身の使い勝手に合わせて薬の形状を選びたいという方には、バイアグラ(シルデナフィル)がおすすめできる場合があります。

バイアグラは、1998年に世界で初めて登場したED治療薬であり、その名前を知らない人はいないほど有名です。

この長い歴史と豊富な使用実績は、何よりの安心感につながるかもしれません。
「ED治療薬といえばバイアグラ」というイメージをお持ちの方も多いでしょう。 

処方実績も豊富なため医師の間でも一定の安心感があり、またバイアグラには、通常の錠剤だけでなく、水なしで服用できるOD錠(口腔内崩壊錠)や、携帯に便利なフィルムタイプなど、様々な剤形が存在します。

これは、ジェネリック医薬品(後発品)の種類が豊富なためで、ご自身のライフスタイルや好みに合わせて形状を選べるというメリットがあります。

用量も25mgと50mgから選べるため(ジェネリック含む)、まず試してみるケースが多いです。

価格面でも、ジェネリック医薬品が多く流通しているため、他のED治療薬と比較して安価に入手しやすい傾向があります。

当院でも、バイアグラジェネリックは1錠550円からと、最もお求めやすい価格でご提供しています(2024年3月現在)。 

ただし、バイアグラは食事、特に脂肪分の多い食事の影響を受けやすく、空腹時に服用しないと効果が十分に得られない可能性がある点や、他の新しい薬剤と比較すると即効性でやや劣る点には注意が必要です。

とはいえ、その知名度と実績、種類の豊富さは、依然として大きな魅力といえるでしょう。

ED治療薬で感度が落ちることはある?

ED治療薬を使用した方の中から、まれに「勃起はするけれど、感度が鈍くなった気がする」「以前のような快感が得られにくい」といった声を聞くことがあります。

効果を期待して服用したのに、思わぬ感覚の変化に戸惑う方もいらっしゃるかもしれません。

なぜED治療薬で感度が落ちたと感じるのか

なぜED治療薬で感度が落ちたと感じるのか

なぜED治療薬で感度が落ちたと感じることがあるのでしょうか?いくつかの可能性が考えられます。 

一つは、加齢による自然な変化です。
年齢とともに神経の感受性が低下することがあります。

二つ目は、薬の作用による血流増加が、陰茎の神経感覚に微妙な影響を与えている可能性です。
血流が急激に増えることで、普段とは異なる感覚が生じ、それを「鈍くなった」と感じるのかもしれません。

特に、推奨用量を超えて服用した場合など、過剰に血流が増加すると、このような感覚の変化が起こりやすくなる可能性があります。 

また、過度に強い刺激への慣れによる人もいます。

日常的に強い力でのマスターベーションを行っていると、膣内で得られる刺激では物足りなくなり、陰茎の感覚が麻痺してしまうことがあります(いわゆる「デスマスター症候群」)。

これが中折れの一因にもなりえます。

ポルノの過剰視聴にも注意が必要で、脳の興奮反応を鈍らせ、通常の性的刺激では感じにくくなる原因となり得ます。

加えて、まれにですが、ED治療薬の影響があるケースもあります。

薬の作用による血流増加が、陰茎の神経感覚に微妙な影響を与え、「鈍くなった」と感じる可能性もゼロではありません。

特に推奨用量を超えた場合などに起こりやすいと考えられます。

最後に、心理的な要因も考えられます。

「薬が効きすぎているのでは?」という不安や、「いつもと違う」という違和感が、かえって感覚に集中できなくさせ、結果的に感度が落ちたと感じてしまうケースです。

感度が落ちたと感じる時の対処法

感度が落ちたと感じる時の対処法

もし感度の低下を感じた場合、以下の対策を試してみることが考えられます。

  • 原因習慣の見直し: 強すぎるマスターベーション習慣がある場合は、意識的に刺激の強度を下げてみましょう。ポルノに頼りすぎている場合は視聴を減らし、実際のパートナーとの触れ合いを重視しましょう。
  • 生活習慣の改善:適度な有酸素運動や骨盤底筋のトレーニングは、勃起力向上に寄与し、間接的に感度維持にもつながる可能性があります。
  • ED治療薬の調整:医師に相談の上、服用している用量が適切か確認しましょう。必要であれば、より低い用量から試してみることで、感覚の変化が改善される可能性があります。自己判断で用量を変更するのは避けてください。
  • 服用タイミングの調整:食事の影響なども考慮し、服用するタイミングを調整してみるのも一つの方法です。
  • パートナーとのコミュニケーション:感覚の変化について不安を感じていることを、パートナーに正直に話してみることも大切です。理解と協力が得られることで、心理的な負担が軽減される場合があります。

もし、「勃起のサポートは欲しいけれど、感度はなるべく自然なままが良い」という希望が強い場合は、効果が比較的マイルドとされるシアリス(タダラフィル)を試してみるのも良いかもしれません。

シアリスは他の薬剤に比べて、より自然な勃起感覚に近いと感じる方が多いようです。

加齢や過度な刺激への慣れ(強いマスターベーションやポルノ視聴など)も感度低下の一因になるため、生活習慣の見直しや適度なトレーニング(骨盤底筋など)も取り入れると、ED治療薬の効果をより活かしやすくなるでしょう。

副作用が少ないED治療薬はどれ?

副作用が少ないED治療薬はどれ?

ED治療薬は効果的なお薬ですが、残念ながら副作用が全くないわけではありません

副作用の現れ方や程度には個人差が大きいものの、どのような副作用が起こる可能性があるのか、そして比較的副作用が少ないとされるのはどの薬なのかを知っておくことは、安心して治療を進める上で大切です。

ED治療薬の一般的な副作用一覧 ED治療薬(PDE5阻害薬)に共通して見られる可能性のある主な副作用には、以下のようなものがあります。

これらは主に、薬の血管拡張作用に関連して起こると考えられています。

  • 頭痛
  • 顔のほてり、紅潮
  • 鼻づまり、鼻水
  • 消化不良、胸やけ
  • 動悸、めまい
  • 目の充血
  • 視覚異常(光がまぶしく感じる、色が青みがかって見えるなど)

これらの副作用の多くは一時的で、薬の効果が切れるとともに自然に治まることがほとんどです。

しかし、症状が強い場合や長引く場合は、医師に相談するようにしてください。

副作用が少ないED治療薬ランキング(一般的な傾向)

副作用が少ないED治療薬ランキング

副作用の発生頻度や程度を比較した場合、一般的には以下のような順番で副作用が少ない傾向にあるとされています。

ただし、これはあくまで一般的な傾向であり、個人差が大きいことを再度強調しておきます。
ある人には副作用が強く出た薬が、別の人には全く問題なかった、ということも珍しくありません。

  • アバナ(アバナフィル): 最も新しい薬剤であり、PDE5に対する選択性が高く、他の酵素への影響が少ないため、副作用の発生頻度が最も低いと報告されています。副作用が現れた場合も、比較的軽度であることが多いようです。
  • シアリス(タダラフィル): 長時間作用型ですが、効果がマイルドなためか、副作用も比較的少ないとされています。ただし、持続時間が長い分、副作用が出た場合に長く続いてしまう可能性も考えられます(筋肉痛などが特徴的な副作用として挙げられます)。
  • レビトラ(バルデナフィル): バイアグラと比較すると、視覚異常の副作用は少ないとされていますが、頭痛や鼻づまりなどは同程度か、やや出やすいと感じる方もいるようです。
  • バイアグラ(シルデナフィル): 最も歴史が長い分、副作用のデータも豊富ですが、頭痛、ほてり、鼻づまり、視覚異常などの副作用が比較的報告されやすい傾向があります。

なぜアバナ(アバナフィル)は副作用が少ないのか?

なぜアバナは副作用が少ないのか?

アバナが副作用が少ないとされる主な理由は、その「PDE5に対する選択性の高さ」にあります。
PDEという酵素にはいくつかの種類があり、それぞれ体内の異なる場所で働いています。

アバナは、勃起に関わるPDE5に特に強く作用し、視覚に関わるPDE6など、他のPDEへの影響が少ないように設計されています。

そのため、血管拡張に伴う頭痛やほてり以外の副作用(例えば視覚異常など)が起こりにくいと考えられています。

また、体内で速やかに代謝されるため、薬が体内に留まる時間が比較的短く、副作用が長引きにくいという特徴もあります。

「硬さ」重視 vs. 「副作用の少なさ」重視での選び方

「硬さ」重視-vs「副作用の少なさ」重視での選び方

硬さと副作用でどちらを優先するかは、個人の価値観や経験によって異なります。

  • 「硬さ」を重視する場合: 一般的に、レビトラ(バルデナフィル)やバイアグラ(シルデナフィル)が、しっかりとした硬さを得やすいという評価があります。ただし、これらの薬剤は副作用(特に頭痛や鼻づまりなど)をやや感じやすい可能性も考慮に入れる必要があります。アバナも十分な硬さが期待できます
  • 「副作用の少なさ」を重視する場合: アバナ(アバナフィル)が最も有力な候補となります。次いで、シアリス(タダラフィル)も副作用が比較的少ないとされていますが、効果がマイルドである点、持続時間が長い点を考慮する必要があります

最終的には、医師と相談しながら、ご自身の体質や希望に最も合う薬剤を見つけていくことが大切です。

食事やアルコールの影響を受けにくいED治療薬

食事やアルコールの影響を受けにくいED治療薬

ED治療薬の効果を最大限に引き出すためには、食事やアルコールの影響も考慮に入れる必要があります。

特に、デートなどで食事やお酒を楽しむ場面でED治療薬の使用を考えている場合、薬の効果が食事によって左右されてしまうのは避けたいところでしょう。

ED治療薬の有効成分は、主に小腸から吸収されます。

しかし、胃の中に食べ物、特に脂肪分の多い食べ物がたくさんあると、薬の吸収が妨げられたり、吸収されるまでに時間がかかったりすることがあります。

その結果、効果が現れるのが遅れたり、効果そのものが弱まってしまったりするのです。

アルコールも同様に、適量であればリラックス効果が期待できるかもしれませんが、飲みすぎると中枢神経の働きを抑制し、勃起力を低下させる可能性があります。

また、血管拡張作用を持つED治療薬とアルコールを同時に摂取することで、血圧が下がりすぎてめまいやふらつきを起こすリスクも高まります。

では、どのED治療薬が食事やアルコールの影響を受けにくいのでしょうか?
一般的な傾向をランキング形式でご紹介します。

  • シアリス(タダラフィル)食事の影響をほとんど受けないとされています。
    総カロリー800kcal程度の一般的な食事であれば、食前・食後を問わず、ほぼ影響なく服用できるとされています。
    これは、食事のタイミングを気にせず服用できるという、大きなメリットです。
  • アバナ(アバナフィル): シアリスほどではありませんが、食事の影響を受けにくい薬剤です。
    高脂肪食(脂肪分30%以上)を摂取した場合には、吸収がやや遅れる可能性が指摘されていますが、通常の食事であれば影響は少ないとされています。
    アルコールの影響も比較的受けにくいとされています。
  • レビトラ(バルデナフィル): バイアグラよりは食事の影響を受けにくいとされています。
    標準的な食事(総カロリー700kcal未満、脂肪量25g未満程度)であれば、食後服用でも大きな影響はないとされていますが、脂肪分の多い食事(特に脂肪エネルギー比30%以上)では、効果発現が遅れたり、効果が弱まったりする可能性があります。
  • バイアグラ(シルデナフィル): 最も食事の影響を受けやすい薬剤です。
    特に、脂肪分の多い食事をとった後に服用すると、効果発現が1時間以上遅れたり、効果が半減したりする可能性があります。
    バイアグラの効果を確実に得たい場合は、空腹時に服用するか、食後であれば2時間以上あけてから服用することが推奨されます。

このように、食事とともにED治療薬を使用する可能性がある場合は、シアリスやアバナが使いやすい選択肢となるでしょう。

ただし、どの薬剤であっても、過度な飲酒は効果を減弱させ、副作用のリスクを高めるため、控えるように心がけましょう。

少量のお酒はむしろ緊張を和らげ勃起を助けることもありますが、「少量の飲酒+ED薬」は問題ありませんが、「泥酔状態+ED薬」は危険です。特にお酒に弱い方や低血圧の方は普段よりさらに控えめを心がけてください。

オンライン診療の利用を検討される場合でも、こうした薬ごとの特徴や食事との関係性については医師が丁寧に説明してくれます。
リモートであっても必ず専門家に相談しながら、適切な薬を選択するようにしましょう。

ED治療薬の正しい服用方法と注意点

ED治療薬は効果的に勃起をサポートしますが、正しい服用方法や注意点を守らなければ、十分な効果を得られなかったり、副作用のリスクが高まったりする可能性があります。

正しい飲み方とタイミング

ED治療薬の正しい飲み方とタイミング

ED治療薬の効果を最大限に発揮させるには、適切な飲み方とタイミングが重要です。

基本的な服用ルール

  • 1日1回の服用を守り、連続使用は避けてください。服用間隔は必ず24時間以上あけてください。
  • 性行為の前に服用します(タイミングは薬の種類によって異なります。バイアグラ・レビトラは約1時間前、シアリスは約1~3時間前、アバナは約15~30分前が目安です)。
  • コップ1杯程度の水またはぬるま湯で服用してください(ジュースや牛乳などは吸収に影響する可能性があります)。
  • 空腹時の服用が最も効果的ですが、食事の影響を受けにくいシアリスやアバナもあります。バイアグラやレビトラは、食後に服用する場合は、食事から2時間以上あけるのが理想です。
  • 服用後、効果を得るためには性的刺激が必要です。薬を飲んだだけでは勃起しません。

併用禁忌・注意が必要な薬

併用禁忌・注意が必要な薬

ED治療薬には、一緒に服用してはいけない薬(併用禁忌薬)や、注意が必要な薬(併用注意薬)があります

これらを知らずに服用すると、重篤な副作用を招く可能性があります。

絶対に併用できない薬(併用禁忌)

  • 硝酸薬およびNO供与剤:ニトログリセリン、亜硝酸アミル(ラッシュなど)、硝酸イソソルビド、ニコランジルなどの狭心症や心不全の治療薬。併用すると急激かつ危険な血圧低下を招く恐れがあります
  • リオシグアト(アデムパス):肺高血圧症治療薬。併用により血圧低下のリスクがあります
  • 一部の抗不整脈薬:アミオダロン塩酸塩(アンカロン)は、薬剤によっては併用禁忌です

併用に注意が必要な薬(併用注意)

  • α遮断薬:前立腺肥大症や高血圧の治療薬(ハルナール、ユリーフ、カルデナリン、ミニプレスなど)。併用により血圧が下がりすぎることがあるため、服用間隔の調整など医師の指示が必要です
  • 一部の抗真菌薬や抗生物質、HIV治療薬など:ED治療薬の血中濃度を上昇させ、副作用を強める可能性があります
  • グレープフルーツ(果汁含む): ED治療薬の代謝を妨げ、血中濃度を上昇させ副作用を強く出す可能性があるため、摂取は避けましょう

その他、現在服用中の薬(市販薬、サプリメント含む)がある場合は、必ず診察時に医師・薬剤師にすべて伝えてください。

心臓病や高血圧をお持ちの方へ

心臓病や高血圧をお持ちの方へ

心臓病や高血圧を抱えている方がED治療薬を服用できるかどうかは、病状の安定度や治療内容によります。

自己判断は絶対にせず、必ず医師に相談してください。

基本的に服用できない、または極めて慎重な判断が必要な方

  • 最近6か月以内に心筋梗塞、脳梗塞・脳出血を起こした方
  • 重度の心不全(NYHA分類Ⅲ度以上など)の方
  • 治療でコントロールされていない不整脈、重度の高血圧(安静時収縮期血圧170mmHg以上または拡張期血圧100mmHg以上)、または低血圧(安静時収縮期血圧90mmHg未満)の方
  • 不安定狭心症の方

医師の判断により服用可能な場合がある方

  • 安定している心疾患(例:安定狭心症、陳旧性心筋梗塞など)で、医師が服用可能と判断した場合。低用量から慎重に開始することがあります

最も重要な注意点

  • 心血管系の状態を医師が正確に把握することが不可欠です
  • 特に硝酸薬を使用中の方は、ED治療薬は絶対に使用できません。命に関わる危険があります

ED治療薬はどこで購入すべきか

ED治療薬はどこで購入すべきか

ED治療薬を入手するには、必ず医師の診察が必要です。ドラッグストアなどで市販はされていません。主な入手方法は以下の2つです。

※2025年9月現在、薬剤師の指導を条件にシアリスのOTC化の承認申請が検討されています。

医療機関(クリニック)での対面処方

泌尿器科やED専門クリニックを受診し、診察後に院内で薬を処方してもらいます。

多くのクリニックでは診察料は無料で、薬代のみの負担となることが多いです(初診料がかかる場合でも2,000~3,000円程度が一般的)。
その場で薬を受け取れるメリットがあります。

オンライン診療

自宅にいながらスマホやPCで医師の診察を受け、薬を郵送してもらいます。

プライバシーが保たれ、通院の手間が省けるメリットがあります。

診察料無料のサービスも多くありますが、薬代の他に配送料などがかかる場合があります。
薬が届くまで数日かかります。

当院では対面診療(新宿区高田馬場)でもオンライン診療でもどちらでも対応可能です。
いずれも診察料無料ですのでお気軽にご相談ください。

偽造薬・個人輸入のリスクについて

インターネット通販サイトや個人輸入代行業者を通じて、医師の診察なしにED治療薬を購入することは絶対にやめてください。

これらの経路で入手した薬には、偽造品が非常に多く含まれています

  • 日本の調査では、インターネットで流通していたED治療薬の約40%が偽物だったという報告があります。
  • 偽造薬には、有効成分が全く含まれていない、あるいは表示と異なる成分や量が含まれている、不純物や有害物質が混入しているなどの危険性があります。
  • 実際に偽造ED治療薬を服用して、低血糖や意識障害などの深刻な健康被害を起こした事例も報告されています。

「安いから」「恥ずかしいから」といった理由で安易に非正規ルートで購入すると、効果がないばかりか、命に関わる健康被害を招く恐れがあります。

ED治療薬は、必ず信頼できる医療機関(対面またはオンライン診療)で、医師の診察のもと処方された正規品を使用してください。

初めてのED治療薬選びで抑えるべきポイントは

初めてのED治療薬選びで抑えるべきポイントは

ここまで、様々な角度からED治療薬を比較してきました。
即効性、持続時間、硬さ、副作用、食事の影響など、それぞれに特徴があり、「一体、最初にどの薬を選べば良いのだろう?」と、かえって迷ってしまった方もいらっしゃるかもしれません。

一般的にはシアリス(タダラフィル)が人気

正直にお伝えすると、「誰にとってもこれが一番良い」と断定できるED治療薬は、実は存在しません。 なぜなら、薬の効果の感じ方や副作用の現れ方は、本当に人それぞれだからです。
ある方にとっては非常に効果的で副作用もなかった薬が、別の方にはあまり効果が感じられなかったり、副作用が出てしまったりすることもあります。

一般的には、持続時間の長さや食事の影響の少なさから、シアリス(タダラフィル)が人気を集める傾向にあります。

当院でも処方数の多い薬剤の一つです。
しかし、当院のスタッフ内で実際に試した際の感想を聞くと、即効性と硬さを評価してレビトラ(バルデナフィル)を好む声や、即効性と副作用の少なさ、食事の影響の受けにくさのバランスが良いとしてアバナ(アバナフィル)を高く評価する声も、シアリスと同等に多く聞かれます。
これは、何を重視するかによって最適な薬が変わってくることの証左と言えるでしょう。

どのED治療薬も仕組みは同じ。まずは試してみるのが大事

どのED治療薬も、「PDE5を阻害して陰茎への血流を増やす」という基本的な作用メカニズムは同じです。
効果の強さや持続時間、副作用の出やすさなどに違いはありますが、根本的な働きは共通しています。

そこで、当院、プライベートクリニック高田馬場が初めてED治療薬を試される方におすすめしているのは、「まずはお薬との相性を確かめていただく」という考え方です。

最初から一つの薬に絞るのではなく、可能であればいくつかの種類の薬を少量ずつ試してみて、ご自身の体質やライフスタイル、そして何よりもご自身の感覚に最も合う薬を見つけていただくのが、遠回りのようでいて、実は最も満足のいく結果につながりやすいと考えています。

例えば、「まずは副作用が少ないとされるアバナから試してみよう」「週末に使うことを考えてシアリスを試してみよう」「食事の影響を受けにくい薬と、硬さが出やすい薬を比べてみよう」といった形で、ご自身の優先順位に合わせて試していくことができます。

当院では、そのような初めての方でもご選択いただきやすいように、バイアグラ、レビトラ、シアリス、アバナ(スペドラ)の各ジェネリック医薬品を少量ずつ組み合わせた、お得なお試しセットもご用意しております

どの薬がご自身に合うか分からない、という方は、ぜひこのようなセットから始めてみることをご検討ください。
もちろん、診察の際には、医師があなたの状況や希望を詳しく伺い、最適な薬選びのアドバイスをさせていただきますので、どうぞご安心ください。