アフターピルはいつまでに飲めばいいの?

アフターピルは、避妊に失敗した時や性被害にあったとき、女性が性交渉後に服薬することで妊娠を防ぐ「緊急避妊薬」です。
ポイントは「性交渉からできるだけ早く飲むこと」。早ければ早いほど、避妊効果は高まります。
日本で認可されているアフターピル(レボノルゲストレル錠)は、性行為から72時間(3日)以内に1錠を服用します。
正しく服用すれば、95%以上の高い確率で妊娠を防ぐことができます。
特に、12時間以内に服用すれば99%以上の確率で避妊できることがわかっており、いかに迅速な対応が重要かが分かります。
アフターピルは、排卵前であれば排卵そのものを遅らせて受精を防ぎ、排卵後であっても受精卵が子宮内膜に着床するのを阻害することで、妊娠の成立を防ぎます。
このように妊娠の成立そのものを阻害する薬剤ですから、すでにお腹の中で育っている命を中断させる「人工妊娠中絶」とは根本的に異なります。
万が一アフターピルの服用後に妊娠が成立してしまった場合でも、胎児への影響はないとされています。
また、厚生労働省も「アフターピルの使用によって、将来の妊娠しやすさ(妊孕性)が低下することはない」と明言しており、安心して服用いただけます。
アフターピル使用までの時間経過による妊娠率の目安

避妊の失敗からアフターピル(ノルレボ)を飲むまでの時間と妊娠率は以下の通りです。
- 直後〜12時間…0.5%
- 13〜24時間…1.5%
- 25〜36時間…1.8%
- 37〜48時間…2.6%
- 49〜60時間…3.1%
- 61〜72時間…4.1%
このように、時間が経つにつれて妊娠のリスクは少しずつ上がっていきますが、72時間以内であれば、妊娠のリスクを大幅に下げることができます。
もし72時間を過ぎてしまったら…?
「もう3日以上経ってしまった…」と諦めるのはまだ早いです。
72時間以降120時間(5日)以内の服用でも、効果が完全になくなるわけではありません。
72時間以内よりも有効率は下がりますが、120時間以内に服用することで63%程度の妊娠阻止率があることがわかっています。
また、クリニックによっては、海外で承認されている120時間以内でも高い避妊効果(約98%)が期待できる新しいアフターピル(ウリプリスタール酢酸エステル:通称エラ)を取り扱っているところもあります。
72時間を過ぎてしまった場合でも、まずは諦めずに当院のような専門のクリニックにご相談ください。
アフターピルを飲んだ後の出血はいつまで?避妊成功のサインは?

アフターピルを服用した後、多くの女性は「消退出血(しょうたいしゅっけつ)」と呼ばれる出血を経験します。
これは、薬の効果でホルモンバランスが変動するために起こる出血で、避妊が成功した「一種の目安」と考えることができます。
- いつ起こる?:服用後、早い方で3日目頃から、遅くとも3週間以内に起こることが多いです
- どんな出血?:通常の月経よりも量が少なく、茶色っぽいおりもののような出血が2〜3日程度続くのが一般的です
この消退出血が起これば、妊娠の心配はほとんどないと考えてよいでしょう。
ただし、注意点もあります。
- 消退出血が起こらない人もいる
- 消退出血ではなく、単なる不正出血の可能性もある
つまり、「出血があったから100%安心」というわけではありません。
確実な避妊成功のサインは「次の生理」
確実に避妊に成功したと言えるのは、予定通りに次の月経が来てからです。
アフターピルを服用すると、ホルモンバランスが変化するため、月経周期がずれることがあります。
多くの場合、予定日より早く来ることが多いですが、10日前後ずれることも珍しくありません。
月経が少し遅れても焦らず、まずは様子を見ましょう。
もし、月経予定日から10日〜2週間程度経っても月経が来ない場合は、妊娠の可能性も考えられます。
その際は、市販の妊娠検査薬を試すか、早めに医療機関を受診して検査を受けてください。
副作用はある?どんな症状が出るの?

アフターピルは副作用が比較的少ない薬ですが、以下のような症状が出ることがあります。
- 吐き気、嘔吐
- 不正出血
- 頭痛、めまい
- 下痢
- 乳房の張り
- 疲労感、眠気
これらの副作用の多くは一時的なもので、服用後24時間以内には自然に治まることがほとんどです。 過度に心配する必要はありません。
特に注意すべきは「服用後2〜3時間以内の嘔吐」
一点だけ、注意が必要なのが「嘔吐」です。
もし服用してから2〜3時間以内に薬を吐いてしまった場合、有効成分が体内に吸収される前に排出されてしまい、十分な効果が得られない可能性があります。
万が一、服用後すぐに吐いてしまった場合は、自己判断で放置せず、必ず処方を受けた医療機関に連絡して指示を仰いでください。
もう1錠追加で服用する必要があります。
なお、服用後3時間以上経っていれば、薬の成分は体内に吸収されていますので、その後に嘔吐しても効果に影響はありません。
心配だからといって、自己判断で量を増やして飲んだり、他の薬を併用したりすることは絶対にやめてください。
すぐに欲しい場合のアフターピルの正しい入手方法

日本国内では、アフターピルは医師の処方が必要な「処方箋医薬品」です。
性交後72時間以内という時間制限があるため、妊娠の可能性がある場合は、ためらわずに当院などにお越しください。
医療機関(クリニック)を受診する
当院のようなクリニックでは、問診のみで処方することも可能です。
非常にデリケートな問題ですので、「内診されるのが怖い」「詳しく話したくない」という方も、安心してご相談ください。
オンライン診療を利用する
「病院に行く時間がない」「近くに産婦人科がない」「誰にも会わずに処方してほしい」 そんな方には、オンライン診療がおすすめです。
オンライン診療であれば、お手持ちのスマートフォンやPCを通じて、ご自宅から医師の診察を受けることができます。
診察後、お薬をご自宅や指定の場所に郵送するため、誰にも知られずにアフターピルを受け取ることが可能です。
当院では、土日や夜間もオンライン診療に対応しており、最短で即日発送が可能です。
【絶対にダメ】個人輸入での購入は危険です
インターネットで検索すると、海外からアフターピルを個人輸入できるサイトが見つかるかもしれません。
しかし、これは絶対にやめてください。
個人輸入代行で購入する薬は、有効成分が含まれていない偽造薬や、不純物が混入した粗悪品である可能性が非常に高く、大変危険です。
効果がないばかりか、深刻な健康被害につながる恐れもあります。
大切なご自身の体を守るためにも、必ず信頼できる医療機関で処方を受けてください。
アフターピル以外の選択肢「銅付加IUD」

万が一、性交渉から120時間以上が経過してしまった場合や、より確実な避妊を希望する場合には、「緊急避妊用子宮内避妊器具(銅付加IUD)」という選択肢もあります。
これは、銅が付加された小さな器具を子宮内に挿入する方法で、性交渉から5日(120時間)以内に挿入すれば、約99.9%という非常に高い避妊効果が期待できます。
一度挿入すれば数年間効果が持続するため、継続的な避妊方法としても選択できます。
ご希望の場合は、ご相談ください。
不安な時はまず相談を。72時間以内の服用が重要です
アフターピルは、性交渉後72時間以内の服用で、望まない妊娠を高い確率で防ぐことができる、女性にとって大切なお守りのような薬です。
何よりも「できるだけ早く服用すること」が重要です。
時間 | ポイント |
〜72時間以内 | 95%以上の高い避妊効果が期待できる。早ければ早いほど良い。 |
〜120時間以内 | 効果は落ちるが、まだ諦めないで。60%以上の避妊効果が期待できる。 |
アフターピルはあくまで緊急的な手段です。
服用後は、コンドームを使用するなど、次の月経が来るまでは必ず他の方法で避妊をしてください。
そして、これを機にご自身のライフプランに合わせた継続的な避妊方法(低用量ピルなど)を検討することも大切です。
ピルには様々な種類があり、ご自身に合ったものを選ぶことができます。
望まない妊娠への不安は、一人で抱え込まずに、ぜひ私たち専門家にご相談ください。
プライベートクリニック高田馬場は、あなたの心と体の健康をサポートします。